雑談-流体力学

質量保存則

質量密度のムラがある空間を想像しましょう.質量\(m_V(t)\)は質量密度\(\rho(\boldsymbol{x},t)\)を空間積分して\begin{align}m_V(t)=\int_{V(t)}\rho(\boldsymbol{x...

導出:開いた系→閉じた系

学生の時の話,私が気象学や流体力学をやっていると,熱の方程式がさらりと現れることがしばしばありましたが,閉じた系しか習っていないために式の扱いに確信が掴めずにいました.いや,閉じた系すらどこか掴めずにいました.周りは涼しい顔をして分かってい...
雑談-流体力学

速度 ⇒ 体積フラックスの意味と体積流量との関係

速度\(v\)は単位時間に進む距離を意味するもので,単位を\( \rm{}\)とするのはご存知かと思います.実は,単位を\( \rm{}\)と変形することができ,フラックス(流束)を表すこともできます. フラックス(流束)とは?  フラック...

熱伝導方程式

熱伝導方程式は熱移動に注目した方程式で,熱力学分野に属さず,伝熱工学という機械工学の分野で発展してきました.住宅の断熱壁構造や半導体の熱冷却等が馴染みのある技術応用だと思います. 熱力学では熱量が主役で,伝熱工学でもそれは変わりませんが,熱...
雑談-流体力学

2.オイラーの視点とラグランジュの視点

(1)ラグランジュの視点 流体を粒子の集合と見立てる方法で,粒子が運動する様子に注目します.難しく考えることなく流体粒子の力学的運動です. (2)オイラーの視点 空間上における流体の速度や圧力,温度等の状態が時々刻々と変化していく様子を示す...
雑談-流体力学

1.流体粒子と流体塊

流体粒子  流体力学を知るに当たり流体粒子が何か理解する必要があります.流体粒子は流体の最小単位を粒子として捉えるものではありますが,流体力学に触れたことがない人は,水分子や空気の分子を想像するのではないでしょうか.または,流体の力学分野で...
雑談-流体力学

3.流体力学の独立変数と従属変数

本ブログでは流体の運動を軸に,古典物理学の全体を見ていきます.本記事では流体力学における独立変数と従属変数について説明していきますが,その前に流体粒子と流体塊,オイラーの視点のとラグランジュ視点についてやんわりでも知っていることが前提です....
雑談-流体力学

物理量の概観

理論屋からすると,保存量やフラックスを中心とした物理的意味を持つ量と,計測量のカテゴリーに分けると物理学の世界が見渡しやすくなると思います. 物理的意味を持つ量  現象を読み解くには保存量やフラックス量が重宝されますが,それが測定できるかは...
雑談-流体力学

開いた系

熱力学では通常,閉じた系を前提に話を展開していきます.閉じた系とは,系の外と粒子の行き来のない状態です.つまり,閉じた系に注射器を射して空気を注入するような場合でさえ,「閉じてません!!」って怒られてしまいます(涙) そもそも,天気予報なん...
雑談-流体力学

比体積(非容積)とは何か

比体積は密度(質量密度)の逆数を取った単位を\(\rm \)とする物理量で,単位質量に対する体積を表します.非容積と言ったりもします.本ブログでは\(\rho^{-1}\)と記述しますが,一般には\(v\)と書かれることが多いのでないでしょ...